【感想】影響力の武器 |日常でも役立つ心理学が満載!応用できる行動例も!

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突然ですが、頭の良い人の行動や思考を知りたいと思ったことはありませんか?

「影響力の武器」には頭が良いとされる人たちが日頃どんなことを考え、行動しているかがが載っています。

「影響力の武器」を読めば…
・知っているだけで得をする
・人を選ばない体系的な社会心理学が身に付く
・再現性のある研究結果に基づいていているから、読んだその日から使える

「影響力の武器」には具体的にどんな内容でどう役に立つか、この記事でくわしく説明していきます。

影響力の武器の概要を紹介

社会心理学って聞くと、

「営業職が使うテクニック」
「セールストークに欠かせないもの」
「日常には使えない」

といったイメージを思い浮かびませんか?

ビジネスシーンで使えるテクニックも多いのですが、たとえあなたが営業職に就いていなくても買い物や勧誘など、日常で迫られる選択で損する機会を減らすことができます。

ビジネスマンのみならず「影響力の武器」を名著に挙げる著名人も多いことから、「影響力の武器」が頭が良いとされることの本質を突いているからに他ならないと思っています。

書誌情報

Amazon:影響力の武器

タイトル 影響力の武器
著者 ロバート・B・チャルディーニ
出版社 誠信書房
出版日 1991年9月1日
ページ数 356ページ

 

【影響力の武器】を読んだ感想

影響力の武器を読んだ感想影響力の武器には6つの心理的な法則が載っています。

特に…
第1章、簡便法
第2章、返報性
第3章、コミットメントと一貫性

は、読んだ直後から使える法則です。

「影響力の武器」は世渡り上手になるための必須スキル

著者のロバート・B・チャルディーニ曰く…
この世界では、他人にイエスと言わせる人だけが成功する

他人にイエスと言わせる
||
承諾を得られる
||
望んだ結果を得られる

承諾を得られる人は、承諾を得られない人に比べて圧倒的な知識でもって他人のイエスを引き出しています。

「影響力の武器」には
・承諾を得られる知識
・なぜ承諾を得られないかの研究結果
・承諾したくない時の対策方法

も一緒に載せられています。

動物研究でも有名な「固定的行動パターン」

「固定的行動パターン」は、動物の基本的な機能として実装されているようです。

「固定的行動パターン」は、航空業界では「機長症候群」の名前がついているほどの概念。

たとえば…
飛行機に致命的なトラブルが発生しました。
機長が「安全です」と誤った判断をします。
ところが「機長が言っているんだから」とその判断に疑問を持たなくなる

という心理のこと。

発言者の肩書きや影響力が強ければ強いほど、受け手は疑問を持たなくなるというもの。

「固定的行動パターン」は、ビジネスシーンだけでなく、日常でも判断が必要な時に必ず潜んでいます。

SNSの普及によって情報伝達速度は増すばかり。誰の発言を信じればいいかの判断が追いつかない時、その人ではなく肩書きを見て判断することもあると思います。

普段からどんな発言をしている人なのかを見極めるのは、基本だからこそ忘れがちですが重要なことを再認識しました。

日常に潜む「コントラストの原理」

1番に売り出したいモノは2番目に提示することをコントラストの原理と呼びます。

わかり安く高級洋品店を例にどんなことがあるのかを説明します。

高級なスーツと一緒にセーターも売りたいセールスマンがいたとします。

顧客は高い金額に頭を悩ませてスーツの購入を決断します。
高い金額で頭を悩ませた後では、一般的なセーターの値段が安く感じる。

フラットな価値観では選択しないことを、頭のいい人は判断を鈍らせる状況を作り上げることが上手です。
承諾を得るも否定するも、知識次第だと思いました。

「影響力の武器」を学んで身を防ぐ

「影響力の武器」を使って、他人にイエスと言わせる人が社会を生き抜いています。賢く生き抜いている人との差は、

「知っているかいないかだけ」

「影響力の武器」が伝える社会心理学には、騙されずに賢く生き抜く方法が学べます。

「返報性」は悪用厳禁!

返報性とは…
他人からの恩を受けたら、同じようにお返しをしたくなる法則のこと。

返報はどのように働くか

返報性の法則は「すべての人間社会に広く浸透している」と言われるほど。社会学者の研究によっても証明されています。

返報性の法則は古くから根付いていて、
食糧
土地
労力

など、受けた恩の返し方は様々な用途に派生していきました。

いつの時代にもある機能のおかげで、人間社会が発展したと言えます。

さらに返報性の法則は、国や文化に左右されないことも証明されているようです。

1985年のエチオピアでは…
貧困に苦しむ中、「過去に援助してもらった時の恩を返す」と言って、メキシコに過去の援助分の恩を返しました。

どんなに苦しくても恩を忘れない精神は、国や文化を問わず人間社会に根付いた原理だと言えます。

この法則を知っていれば、多くの場面に適応できる人間になれそうです。

法則性の威力

返報性の法則はとても強力で、一歩間違えれば損を被る可能性が…。

返報性の法則を利用したマーケティングももちろん存在しています。

たとえば…
無料試供品が1番身近な法則性だと思います。無料試供品はいわばセールスマンからの贈り物。
「タダで商品を使ったから、次は買わないと」と消費者は責任感から購入する思考になります。

返報性の威力は絶大で、好きな人も嫌いな人も限らずに恩を受け取っていると、返さずにはいられなくなります。

返報性の法則を知る人は、恩を売ることを打算的に考えて行います。

譲歩は返報性の第一歩

返報性にはもう一つの特性があります。

「譲歩すると次の頼み事を受け入れる体勢ができてしまう。」

どういうことか?例として、友達とご飯行く場合を想定してみましょう。

1.行きたいお店をピックアップ
2.1つ目に提示するのは、友達が進んでは行きたくないお店
3.2つ目に提示するのは、友達が行きたそうなお店

そもそも友達が好きそうなお店を選んでいることもありますが、1つ目に提示すると、

まだ良い店があるんじゃないか?
もっと良い店を探したい!

と判断材料が足りない場合があります。

1つ目のお店との比較でスッキリ選べるだけでなく、「自分が選んだ」と感じられるそうです。

 

本多らら
本多らら

あくまで一例で、友達とご飯を食べに行くのに駆け引きなんてしたくない気持ちには同意見です、、

世渡りスキルのコントラストの原理とも似ているこの原理を、「ドア・イン・ザ・フェイス」と呼んでいるそうです。

「ドア・イン・ザ・フェイス」を発表したカナダの大学の研究で…
選択肢を提示した人よりも選択肢た人の方が、その後の行動が積極的になること。

といった研究結果が判明しています。選択肢を譲歩した分、自分が選んだことに責任を感じているそうです。

相手に楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいと思っている人は、「ドア・イン・ザ・フェイス」を参考にしてみてはいかがでしょうか?

返報性の防衛法

返報性の法則には喜んでもらう
気持ち良くなってもらう

といったポジティブな一面もありますが、

返報性の法則には打算的に使われる
気をつけないと騙される

とネガティブな一面も持ち合わせています。

しかしはじめから返報性を疑って、相手の好意を振り払うのはリスクがあります。

なぜなら…
・本心からの好意の場合、相手を傷つけてしまう。
・人からの好意を受け取らなかった罪悪感が残る

など、後先考えない人ならともかく、共感力が高かったりする人には負担が大きいと思います。
その人との関係性もあるから、全てを受け入れられないこともあるかも知れません。

著者ロバート・B・チャルディーニさんは…
基本的には一旦は素直に受け止めておいてからの判断でも遅くはない。
もとから打算的な策略で恩を売ってきたとわかった時には、NOと言える強さも必要です。

と言っています。

優しさではなく、恩を売っていると感じるには…
・そのヒト自身の日頃の行動・態度
・自分以外の人に接するときの行動・態度

人だけでなく組織が日頃からどんなことをしているかを常に気に掛けるアンテナを張ることが大事です。

コミットメントと一貫性

コミットメントと一貫性とは…
一度、決めた態度をとるとその後も同じ態度を取ろうとする原理です。

一貫性の危うさ

人は自分の行動と思考を一貫させたい、していると思われたいと思っています。

自分で一貫していないことを認知すると、認知的不協和音というストレスが生じるからです。

2種類の認知によって自己主張をしています。

行動
思考

一貫性を利用したテクニック「イエスセット」

行動と思考を一致させようとするテクニックにイエスセットがあります。

イエスセットとは…
相手からイエス(行動)を引き出して、イエスと相反する思考をさせない方法のこと。
セールス
セールス

今日は天気がいいですね

一般男性
一般男性

そうですね

こんな子供騙しに引っかかるの?と思ったかも知れませんが、何気ない会話でイエスを積み上げていって、
気づけば重要な承諾でもイエスを引き出していきます。

自分の感性を信じること

「なんか違う」と感じたら、否定する意識を持つこと。

一貫性は基本的には良いものだとされていますが、

・貫き通す必要がない
・コントロールしにくい

このような特性もあるといいます。

丸め込まれようとしたり、このまま続けていいのか?と疑問を持った時には立ち止まってみる勇気を持ちましょう。

影響力の武器の感想/まとめ

本記事で紹介した原理以外にも、

権威:肩書きやブランドで価値を判断してしまう原理
希少性:期間限定など、時間の制限を謳われるものに価値を見出す原理

など「影響力の武器」には、ビジネスはもちろん生活にも役に立つ原理が載っています。

現在第三版まで製作されてはいますが、初版発行が1984年なので人が営む原理には、
時代の変化は大きく影響を及ぼしていないことがわかります。

「影響力の武器」に載っていることはどれも大事なことなので、定期的に読み返してうまく活用していきたいです。

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